ウブドツアー②

壮大な経験のあと、いざ立ち去ろうとすると、お布施を払う事に。

正直、「また金か?」と思ってしまった。

その前にも5000ルピー払っている。これでは足りないのか?とひとりごちていると、トマさんが「地元の人ならそれでいいんだろうけど…」と。

たしかに、そうだなと思った。

 

私たちは異国の土地から来た異教徒。

そんな人間が自分の一生を捧げてる土地に観光気分でやってきて、あれこれ見て回っているのに、少しのお布施をケチるようでは神様にも笑われる気がした。

自分の食べるものまで削って信仰している人達にとってみれば、私の考えなど甚だ卑しい。

自分の小ささを痛感した瞬間である。

 

寺院を出たあとは、ライステラスと呼ばれる有名な風景、棚田を眺める。

これぞバリという感じのイメージがある光景だ。日が沈む夕暮れ時のこの風景は、どことなくホッとする懐かしい気持ちにもなる。

 

そしてツアーも終盤、最後は夕食を食べにレストランへ向かう。

泊まってる宿のオーナーが経営してるらしく、雰囲気も抜群にいい。

屋外に広がる自然の中、ライトアップされたテーブル。

 

そして、うまい。インドネシアの料理は総じてうまい。

代表的な食べ物はミゴレンや、ナシゴレン、鳥の揚げたアヤム、やきとり風サテ、豚肉料理のバビグリンなど…めちゃくちゃうまい。

 

ビールもガンガンあけつつ、トマさんリンさんと楽しく話をしながら、最高の夕食を味わう。

 

そして、辺りが静まったところで、ケチャダンスが始まった。

ケチャダンスとは上半身裸の男性たちが、何十人もの集まりで、独特の掛け声を発しながら展開するバリ舞踏のひとつ。

 

ケチャケチャケチャケチャケチャケチャケチャという、言葉で刻まれるリズム。

ラーマヤーナと呼ばれる、インドの古典叙事詩を基に構成されるストーリーだが、言葉は分からずとも体の動きだけで内容もわかり、見ていて飽きない。

 

火を囲みながら踊り続ける人々、熱気がこちらまで伝わり、臨場感もすごい。

ケチャ!ケチャ!

これしか言ってないが、すっかり引き込まれて見入ってしまった。

 

バリのこうした伝統芸能は、ガムランや踊り、色々と多彩だが、どれもそれぞれ独自の文化が色濃く反映されてて、観ていてとてもおもしろい。

 

最後は宿の客人でもある私たちに親切なママさんからのデザートサービス。

めちゃくちゃ可愛いバリのウェイトレスと写真を撮ってもらい、帰路についた。

 

今日一日、色々楽しめて、学びもあった最高のツアーになった。

終始お世話になったナイスガイのジョニーにお礼を行って宿に戻る。

ゆっくりと気持ちよく眠れそうだ。